京都大学の整数問題(ひとつのパターン : 解答編3)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
家庭菜園をしているので植物好きかと思われているかも知れませんが、昔から山より海派です。昨日は海まで遊びに行きましたが、大きめのアコウ(キジハタ)を釣ることができ、楽しめました。稲荷塾のブログ
今回が整数問題についてのブログの最終回になります。今回は残る(iii)の問題について説明したいと思います。まずは解答を確認してみましょう。
(iii) n3-7n+9が素数となるような整数nをすべて求めよ(2018年 京都大学)
(解答)
n≡0 (mod 3)のとき、n3-7n+9≡9≡0 (mod 3)
n≡1 (mod 3)のとき、n3-7n+9≡1-7+9≡0 (mod 3)
n≡2 (mod 3)のとき、n3-7n+9≡8-14+9≡0 (mod 3)
であるのでn3-7n+9は整数nの値に関わらず、3の倍数となる。
つまり、n3-7n+9が素数となるとき、n3-7n+9=3に限られる。
n3-7n+9=3
n3-7n+6=0
(n-2)(n-1)(n+3)=0
よって求める整数nは-3, 1, 2である。
取り上げた3問の中で、解答だけを見ると一番シンプルで解きやすいかなとも思いますが、もしかすると逆に一番発想が出てきにくい問題かもしれないなと感じました。
前回のブログでも少し書きましたが、発想を得るためには似たような問題をやっておくのが一番です。とはいえ、そう簡単に全ての問題のパターンを網羅できるわけでもないのは事実です。では、初めて出会う問題に対してどのように向き合えば考えるきっかけが得られるでしょうか。
いろいろな方法が考えられますが、一つはしっかりと問題文を読むことです。
「n3-7n+9が素数となるような整数nをすべて求めよ」と言われて、条件を満たすnがたくさん存在するでしょうか?
こういった問われ方をした場合、条件を満たすnはたくさん存在しない場合が多い感じがします(もしたくさん存在していたとしたら、n自体よりもnの満たす条件について問われるはずなので)。つまり整数nの中でn3-7n+9が素数になるのはごく一部で、どういったnがその条件を満たすのかについて考えれば良いということです。
また、n3-7n+9の一部が素数となり、残りは素数とならない(つまり3つ以上の正の約数を持つ)なら、何かしらの方法で素数とならない場合の約数について考えることができるはずです。今回の問題については、その約数がnに関係なく一定なのではないかと疑い、3で割った余りについて考えてみた結果、解答に辿り着きました。
今回は解答の形を予想するという少し特殊なパターンでしたが、問題を解くために「与えられている条件」と「解くために必要な情報」を解釈することが重要な場合がよくあります。いろいろ勉強してきて知識があるはずなのに、いざ入試問題を解こうとすると何をすればよいかわからなくなるような場合は、この「問題文の解釈」ができていない場合が多いです。この辺の話について詳しくは「突破力を鍛える最難関の数学」の「はじめに」の部分を読んでみてください(ここで読めます(画像))。
ここまでの四回のブログにおいて、ある種の整数問題が余り(特に3で割った場合)に注目すれば考え始めるきっかけが得られるという話をしてきました。もし整数問題が苦手だなと感じている場合は、案外似たようなパターンが問われうることを知っておくだけでも苦手意識が改善されるかも知れません。練習次第では発想が自然と浮かんでくるようになるのも不可能ではないと思っています。
今回のブログのシリーズはここまでにしておきましょう。最後に最近解いた東大の整数問題を載せておきます。この問題も余りについて注目する問題です。かなり解答に辿り着くのが難しく、東大と京大で求める学生像がかなり違うように感じました。また次回にでも解説できたらと思います。
数列{an}を次のように定める。
a1=1, an+1=an2+1 (n=1, 2, 3・・・)
(1)正の整数nが3の倍数のとき、anは5の倍数となることを示せ。
(2)k, nを正の整数とする。anがakの倍数となるための必要十分条件をk, nを用いて表せ。
(2022年 東京大学・理科 大問2 (3)を割愛)
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