稲荷塾の演習

「解答を見て理解できる」ではなく「自力で解く」ための演習

稲荷塾の演習講座の特徴は、東大・京大の問題を解くために「どうしたらその発想ができるのか?」を教えることです。難問題への鮮やかな解法を見せて受験生を惹きつける予備校講師は多くいますが、稲荷塾ではそのような指導は行いません。そもそも予備校講師と一般的な受験生では数学の背景知識が大きく異なり、きれいな模範解答を見て納得できたとしても自分でその解答を作れるようにはなりにくいのです。そうではなく、受験生が持っている知識で問題を解く方法を伝えます。

入試の基本技術で標準問題がすらすら解けるように

数学の問題は「条件」と「結論」が与えられていて、この条件と結論をつなぐことを「問題を解く」といいます。東北大や名古屋大の問題のような入試の標準問題では条件と結論の距離が比較的近く、入試の基本技術を1つ知れば1つのタイプの問題が解けるようになります。
高校課程の学習が一通り終われば、まずはこのような入試の基本技術を学ぶための演習を行います。一般に、東大や京大に合格する平均的な高校生であれば、およそ1年間の演習でどんどんと基本技術が身についていき、入試の標準問題であればすらすらと解けるようになります。しかし、この演習を続けても東大・京大の入試問題はなかなか解けるようにはなりません。それは、東大・京大の難しい問題では与えられた条件と結論の距離が遠く、技術を知っているだけではそれらをつなぐことができないからです。

東大・京大の問題を解くためには問題の読み解き方を学ぶ

条件と結論の距離が遠いとはどういうことでしょうか。条件が複雑だったり抽象的だったりしてとらえにくい場合や、結論がぼかされていてどこに向かえばよいのかがわかりにくい場合は条件と結論の距離が遠いといえます。たとえば、条件として与えられた設定が複雑でどのような状況なのかがわかりにくいと感じることや、示せと求められている事柄を示すためには具体的に何を示せばよいのかと悩むようなことはありませんか。このような場合に、覚えた技術を当てはめようとするだけではなかなか問題が解けるようにはなりません。
そこで、とらえにくい条件や結論が何を意味しているのかを読み解く必要があり、そうすると条件と結論の距離が縮まって身につけた技術が使えるようになります。このような問題の読み解き方を学ぶのにもおよそ1年かけられるのが理想的です。

演習1と演習2の二段階に分けることで効果的な演習が可能に

稲荷塾では入試の基本技術を学ぶための演習を「演習の第一段階」、問題の読み解き方を学ぶための演習を「演習の第二段階」と呼び、それぞれ「演習1」と「演習2」の講座に分けて順番に学びます。これら二段階の演習を同時に行うのではなく分けて順に学ぶのには意味があります。というのは、第一段階の演習が不十分なまま第二段階の演習を始めると、問題を読み解く方法を学んで条件と結論の距離を縮めることができるようになっても最終的に条件と結論をつなぐことができず、なかなか問題が解けるようにならないからです。そうならないように、条件と結論の距離が近ければ確実につなげられるようになってから東大・京大の問題に取り組むことを推奨しています。
最後に、出題範囲についてですが、演習1と演習2の各講座は数ⅠAおよび数ⅡBの問題を扱い、数Ⅲの問題については「演習数Ⅲ」の講座で学びます。理系の方は基本的に演習数Ⅲの講座まで受講することをおすすめします。