京都大学の整数問題(ひとつのパターン : 解答編2)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
最近アップしていませんでしたが、塾においてある落花生はこの暑さの中でも元気です。葉っぱが一部虫に食べられたりしていますが、子房柄が伸びている様子が観察でき、収穫が楽しみです。
さて、今回のブログも京大の整数問題についてです。前回のブログでは解説できなかった(ii)の問題を解説したいと思います。前回と同様に解答から確認していきたいと思います。
(ii)素数p, qを用いて、pq+qpと表される素数をすべて求めよ(2016年 京都大学 理系)
(解答)
p, qともに3以上の素数であるとすると、pとqはともに奇数となる。
このときpqとqpもともに奇数となるため、pq+qpは偶数となる。
またpq+qp≧33+33=54であることから、偶数の素数は2しかないためpq+qpは素数にならない。
またp=q=2とするとpq+qp=22+22=8となり、これは素数ではない。
以上からpq+qp が素数になるのはpとqのいずれかが2で他方は3以上の素数の場合に限られる。このときpとqの条件の対称性からp≧3, q=2として考えて一般性を失わない。
pは3以上の素数であることから奇数であるので、
2p≡(-1)p= -1 ≡2 (mod 3)
またpが5以上の素数のとき、pは3の倍数にならないことから、
p≡ ±1 (mod 3)
つまりp2≡ 1 (mod 3)
よってpが5以上の素数のとき、
pq+qp= p2+2p≡1+2≡0 (mod 3)
となることからpq+qpは3の倍数となる。
またこのとき、
pq+qp≧52+25=57となることからpq+qpは素数にならない。
つまりpq+qpが素数になるには(p, q)=(2, 3), (3, 2)が必要であるが、
23+32=17 : 素数であることから求める素数は17となる。
つらつらと解答を書いてみると、少し読みにくくなってしまいました。ここから少し問題を解く上で考えたことについて書いてみたいと思います。
前回のブログでは3で割った余りに注目すれば解答の方針が立つ場合があることを説明しました。今回は少し違った話をしてみたいと思います。
整数問題によく出てくる素数の中の仲間外れといえば2となります。これは2だけが素数の中で偶数だからです(2の倍数は2以外素数でないので当たり前ですが)。なので最初にその例外である2について調べてみることはよくあります。
2について調べるとは、すなわち偶数であるかについて調べることとほとんど同じです。pとqの偶奇について調べてみるとpとqの偶奇が一致する場合はpq+qpは偶数になり、2より大きい数であることから、pq+qpは素数にならないことがわかります。つまりpq+qpが素数になるならpとqの偶奇は一致しない、となります。この議論から、偶数の素数は2だけなのでp, qの片方が2と決定できます。
あとは(i)の問題で考えたのと同様に3で割った余りについて注目してみると、もう片方が3でないとpq+qpは素数にならないことがわかります。ここまできても(p, q)=(2, 3)のときにpq+qpが素数になる確証はありませんが、一つぐらいは素数になるんじゃないかと思いながら(p, q)=(2, 3)としてみたら、実際に素数になったので問題が全て解決したことになります。
個人的には片方が2と決まった後にもう片方が3に限られることを思いつくのが難しい部分ではないかと感じています。こういった発想はどこから思いつくのか説明するのが難しいですが、似たような問題を見たことがあるというのはよくあるきっかけだと思うので、今回のブログで取り上げたパターン(3で割った余りに注目する)が再度問われた際は気づけるように頭の片隅に置いておきましょう。実際にこのパターンの問題は少なくとも3度は問われているので、今後問われることもあるでしょう。n度あることは(n+1)度あるとはよく言われますし。
次回のブログは残る最後の問題について書いてみたいと思います。そちらも是非読んでください。
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