京都大学の整数問題(ひとつのパターン : 解答編1)

query_builder 2023/07/27
ブログ
IMG_1239


こんにちは。

 

オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。

10分程度外に居ただけで熱中症になりそうな暑さですね。道を歩いているだけなのにサウナに入っているようでした。冷房の効いた部屋に入っても整いませんでしたが。

 

さて、今回のブログは前回の問題編に対する解答編です。前回の問題編のヒントには気がつけたでしょうか。今回のテーマは「2や3で割ったときの余りに注目しよう」です。3問とも解説すると長くなってしまうので、今回は(i)の問題について解説していきます。

 

まずは解答を読みながら、どこから考え始めればよかったかについて考えてみましょう。

 

(i) 2以上の自然数nに対し、nとn2+2がともに素数となるのはn=3の場合に限ることを示せ(2006年 京都大学)

(解答)

nとn2+2がともに素数となることから、nが素数の場合について考えれば良い。

nが3以外の素数のとき、nは3の倍数にはならないのでnを3で割ると1余るか2余る。

つまりn­≡ ±1  (mod 3)となる。

このことからn2­≡ 1  (mod 3)となるので、n2+2≡1+2≡0 (mod 3)である。

つまりnが3以外の素数ならば、n2+2は3の倍数となる。

nは2以上の自然数であることから、n2+2≧22+2=6となるため、n2+2=3となることはない。

3の倍数の素数は3以外に存在しないので、nが3以外の素数ならば、n2+2は素数にならない。

また、n=3とするとn2+2=11となるので、n=3のときはnとn2+2がともに素数になる。

よって示された。


230727


「〜を証明せよ」という問題に対して命題が正しいかを疑ってみるのは(どのような場合でも成立するかについてしっかり考えないといけない場合が多いので)重要ですが、今回は命題が成り立つものとして一度考えてみましょう。

問題文を読んでみると、「nとn2+2がともに素数となるのは」とあるのでn=3以外のときはnとn2+2の少なくとも一方は素数でない、となるはずです。

つまりn=3以外のときに、nとn2+2がともに素数となることがないことを示すには、「nが素数ならばn2+2は素数ではない、またはn2+2が素数ならばnは素数ではない」のいずれかを示せば良いことがわかります。

 

どちらを示すのが楽でしょうか。高校数学のレベルの話では、素数の性質として「正の約数が1とその数自身の2つのみである」ことを覚えておけば十分でした。つまり素数がどういったパターンに従って存在しているかについて知っていることが多くないため、n2+2が素数のときにnがどういう数字であるかを考えるのは難しいです。

 

このことから「nが3以外の素数ならばn2+2は素数ではない」ことを示す方が楽であると考えられます。あとは少し調べてみれば解答の方針が立つはずです。

 

nが3以外の素数 のとき、n2+2の値について考えてみると

n=2のとき6(=2・3)

n=5のとき27(=33)

n=7のとき51(=3・17)

n=11のとき123(=3・41)

n=13のとき171(=32・19)

・・・

となっていることがわかり、実際にn2+2は素数でないことが推察されます。またn2+2が3の倍数になっていることも予想されました。

 

この予想について理由を添えて示せば、最初に示したような解答になります。3の倍数になるならば、3で割り切れるはずなので余りに注目してみると示せそうだなと感じれば解決します。

 

あと2問の解説はまた次回以降にしましょう。どちらの問題も今回の問題と同様に余り(特に3で割ったときの)に注目して考えるときっかけが掴める問題なのできっかけを掴んだ後にどのように論証すれば良いかを考えてみると良いでしょう。


NEW

  • 雑多な話題

    query_builder 2024/11/18
  • 新しい高校受験の方法について

    query_builder 2024/11/05
  • 授業効率の2倍化について

    query_builder 2024/10/29
  • 東大の数学の入試問題で発見した少し面白い話

    query_builder 2024/10/26
  • 公立高校から京大に確実に現役合格する方法

    query_builder 2024/10/19

CATEGORY

ARCHIVE