第十五回ポイント講座(数IIB 図形と方程式 平面の方程式)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
前回のブログをアップした時にエラーが出てしまい、なかなか次のブログを出せていませんでした。解決したので今後もブログがたくさん書けるように頑張ります。
さて、採点中に感じた典型的なミスや勘違いについて書くブログの第十五回目です。今回は数IIBの図形と方程式の範囲のxyz空間での平面の方程式の求め方について書いてみたいと思います。ベクトルの知識が必要となるところもあるので忘れていた場合は確認しておきましょう。あまり使用頻度が高い訳ではありませんが、三角錐の体積を求める場合などに使用するので覚えておくと役に立ちます。例題は以下になります。
「A : (1, 0, 3)、B : (2, -2, 6)、C : (3, 1, 4)の3点を通る平面の方程式を求めよ」
まず平面の方程式がどのような形になるかについて知っておく必要があります。xyz空間における平面の方程式は実数の定数a, b, c, dを用いてax+by+cz=dのように表せます。
なぜこれが平面の方程式になっているのかについてのイメージについては以下のようになります。
1) ax+by=-cz+dと変形してz=k(定数)と固定をしてみるとax+by=-ck+dとなります。-ck+d は定数であり、z=kというxy平面と平行な平面においては直線の方程式になっていることが分かります。
2) 次に固定していたzを動かしてみましょう。aとbは定数なので1)で考えた直線の傾きは変わらず、zを動かすことによって1)で考えた直線のy切片が変化することになります。またx=0としてみるとby+cz=dとなるので、y切片はyz平面において直線として変化することが分かります。
3) これらのことから少しずつずれた平行な直線の集合になっているので平面を表していることが分かります。
この表し方を知っていれば、平面の方程式をax+by+cz=dとおいてみてA, B, Cの座標を代入することで三つの四元一次方程式が得られ、a, b, c, dの比が求まり、方程式が決定できます。
a+3c=d
2a-2b+6c=d
3a+b+4c=d
ただし計算が煩雑なのであまりおすすめできる方法ではなく、今回はこれ以上の説明を割愛します。
今回紹介したいのは、ベクトルの知識から平面の方程式を求める方法です。その説明の前に先ほど出てきた直線(ax+by=cのような形)の話から始めたいと思います。
高校生の多くは中学生のときに直線を傾きと切片の二つから表す方法(y=ax+bのような形)を習ったと思いますが、これはy軸と平行な直線については表すことができませんでした。そのため、一般形としてax+by=cを使用することがあります。この表し方はベクトルを使って説明することができます。
ある直線について、(a, b)を垂直なベクトル、またA : (p, q)を通る点とします。この直線上に存在するP : (x, y)が満たす条件について考えると、垂直な二つのベクトルの内積は0となることから以下のようになります。この式について整理すると直線の一般形が求まります。
平面についても同様で、(a, b, c)を垂直なベクトル、またA : (p, q, r)を通る点とし、この平面上に存在するP : (x, y, z)が満たす条件について考えると以下のようになります。
つまり、平面に対して垂直なベクトルさえ求まれば平面の方程式が求まるということです。ここからが今回の重要なポイントになります。
「平面に対して垂直なベクトルは平面内のどのベクトルとも垂直であり、平面内の平行でない二つのベクトルと垂直なベクトルは平面に対して垂直となる」ので平面に対して垂直なベクトルは比較的簡単に求めることができます。
まずは今回の例題で基本となるベクトルについて求めてみましょう。どの点に注目しても問題ないですが、今回は始点にAを選んでみました。
A : (1, 0, 3)、B : (2, -2, 6)、C : (3, 1, 4)
ここで垂直なベクトルを(a, b, c)として、このまま内積を取ると最初に説明したやり方と計算の面倒さがあまり変わりません。なので少し工夫してみます。
平面を張る二つのベクトル(ABとAC)は一次独立なので、二つのベクトルの加法によってできるベクトルもまた平面内のベクトルとなります。つまりこのベクトルも平面に垂直なベクトルに対して垂直となります。ベクトル同士の加法を考える理由はx, y, z成分のいずれかを0にできることにあります。今回はy成分について0にしてみましょう。
すると空間ベクトルの内積はx成分同士の積とy成分同士の積、z成分同士の積の和になるので、このベクトルと内積をとって0となるのはtを実数として(1, t, -1)とすれば良いことが分かります。(x成分とy成分を入れ替えてどちらかを-1倍すれば良いということです)
あとは平面内の平行でない二つのベクトルと垂直なベクトルは平面に対して垂直となることから最初に設定した二つのベクトル(ABとAC)のうちのどちらかと内積を取れば良いです。
これまでの結果から平面に対して垂直なベクトルの一つが(1, -1, -1)と決まったので、最後に平面の方程式を求めてみましょう。この平面はA : (1, 0, 3)を通るので、求める方程式は以下になります。
(x-1)-y-(z-3)=0
x-y-z=-2
図形と方程式はベクトルの知識が必須となるので、今回の話の中でわからない部分があった場合はベクトルから勉強しておくと図形と方程式の範囲を修得するためにはむしろ近道になると思います。
今回の例題の続きとして、よく問われる形の例題を加えておきます。次回のブログにおいて解説するので解いてみてください。
A : (1, 0, 3)、B : (2, -2, 6)、C : (3, 1, 4)、D : (1, -3, 0)とするとき、
(1) 三角形ABCの面積を求めよ
(2) 四面体ABCDの体積を求めよ
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