第十一回ポイント講座(数IIB 三角関数 cosの二次方程式の解の個数)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
ここ二日ほど暑すぎて夏を感じています。写真は去年の夏に撮影した唐辛子の花です。
さて、採点中に感じた典型的なミスや勘違いについて書くブログの第十一回目です。今回は前回に引き続き、数IIBの三角関数の問題について書いてみたいと思います。今回も三角関数の問題を考える上では範囲に注意を払うのが重要であるという話になります。例題は「2cos2θ-3cosθ-a+1=0 (0≦θ<2π)の解の個数を求めよ」です。
解の個数を考える上でcosθのまま考えるのは少し困難なので、x=cosθと変形してみます。
2cos2θ-3cosθ-a+1=0
↓
2x2-3x-a+1=0
このとき、-1≦cosθ≦1であるため、-1≦x≦1で考えることになります。
また、定数分離をしなくても問題ありませんが、考えやすくするためaを移行しておきます。
2x2-3x+1=a ・・・ *
これで解の個数について考える問題を下の二つのグラフの交点の個数を考える問題に変えることができました。(この辺の話は第七回ポイント講座の解の配置のところで軽く触れました)
y=2x2-3x+1 ・・・ ①
y=a ・・・ ②
①のグラフについて-1≦x≦1の範囲でグラフを書いてみましょう。
y=2x2-3x+1=2(x-3/4)2-1/8
x=-1のときy=6
x=1のときy=0
ここから注意が必要な部分になります。①と②のグラフの交点一つにつき解は一つ生じるでしょうか。*をxの方程式とする場合については確かにそうなっています。しかし、問題文を見てみるとxは出てきておらず、θについての方程式であることは明確です。
つまり、xの値に対してθがいくつ対応しているかについて考える必要があります。一度単位円を書いてみましょう。0≦θ<2πであれば、-1<cosθ<1においてcosθの値が定まったときにθは二つ存在していることがわかります。例えばcosθ=1/2のとき、θ=π/3, 5π/3の二つの値が対応します。また、cosθ=1のときはθ=0、cosθ=-1のときはθ=πとなるため、cosθとθは一対一対応しています。
このことからx(=cosθ)の値が-1<x<1のときはxとθが一対二対応、x=±1のときはxとθが一対一対応していることがわかりました。
これを先ほどのグラフとともに考えてみると以下のようになります。
交点の個数とθの解の個数の対応に気をつければ簡単な問題だと思うので、しっかりできるようにしておきましょう。
また、今回は最後の部分で少し図が多くなってしまいましたが、実際にこういった問題を解くときには状況を整理するためにグラフを書いていくことは必須になると思います。労力を厭わずミスなく解くようにしましょう。
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