第九回ポイント講座(数IA グラフの平行移動)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
アボカドの新芽が出てきました。面白い色をしています。
さて、採点中に感じた典型的なミスや勘違いについて書くブログの第九回目です。今回は数IAのグラフの平行移動について書きたいと思います。今回扱う問題は「y=x2-2x+3のグラフをx軸方向に2、y軸方向に3平行移動したグラフの方程式を求めよ」です。代入によって簡単に求めることができますが、ときどき代入する値を勘違いしている解答が見受けられます。しっかりと理屈から理解しておきましょう。
まず、グラフの方程式を求めることについて考えてみると、「グラフ上の点(x, y)が満たす条件を求める」と言い換えることができます。y=f(x)をx軸方向にa、y軸方向にb平行移動した場合を考えてみましょう。求めるグラフ上の点が(x, y)なら、元の関数y=f(x)のグラフ上の点は(x-a, y-b)となることがわかります。つまり、この(x, y)が満たす条件はy-b=f(x-a)となっています。
この考え方から移動前の関数の方程式の(x, y)に(x-a, y-b)を代入すれば良いことがわかります。(x+a, y+b)ではないことに注意しましょう。
解答は以下になります。
求めるグラフの方程式は、
y-3=(x-2)2-2(x-2)+3
y=x2-6x+14
他にも平行移動するだけではグラフの形は変化しないので、平方完成をして頂点に注目して平行移動させる方法もあります。
元のグラフについて、
y=x2-2x+3=(x-1)2+2
より頂点は(1, 2)であることから、平行移動したグラフの頂点は(3, 5)となる。
よって求めるグラフの方程式は、
y=(x-3)2+5
y=x2-6x+14
ただし、この方法はあまりおすすめできません。特定の場合にしか使えないからです。
・二次関数において点対称なグラフを考えるときには頂点を移動させてグラフの向きを上下逆にすれば良いですが、グラフの形がなぜそうなるのかをしっかりと議論するのは難しいため、多くの場合中途半端な解答になってしまいます。
・三次関数やそれ以上の次数の関数についてはこの方法を適用できません(一応、三次関数では対称の中心を求めて議論することはできますが面倒です)。
前半で説明した方法は多くの場合で適用できるため、グラフの移動が出てきたときにはこの方法が思い浮かぶようにしておきましょう。
最後に前回のポイント講座の例題の解答を載せておきます。確認しておいてください。
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