第五回ポイント講座(数IA 剰余 余りの決定)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
先日萎れていたアボカドが復活しました。前のブログと比較してもらえれば一目瞭然です。植物の観察も毎日の継続が重要ですね。
さて、採点中に感じた典型的なミスや勘違いについて書くブログの第五回目です。今回は数IAの剰余の範囲の「xの整式f(x)をx+1で割ると2余り、(x-1)2で割ると3x+1余るとき、f(x)を(x+1)(x-1)2で割った余りを求めよ」といった問題について書いてみたいと思います。剰余の定理は数IIBで出てきますが、稲荷塾では因数分解と合わせて数IAで学ぶ範囲に設定しています。
最初に剰余の分野における覚えておくべきことについて確認しておきましょう。
n≧k (n、kは自然数)のとき、n次の整式をk次の整式で割ると
商 : (n-k)次式
余り : (k-1)次式(もしくはそれ以下の次数の整式)
になっています。当たり前のことだと思いますが、しっかり覚えておきましょう。
今回の問題は少しだけ手強いです。というのも、一般的な余りの置き方では条件が足らず余りを求められないからです。少し例題を見てみましょう。
「xの整式f(x)をx-1で割ると1余り、(x-2)で割ると2余るとき、f(x)を(x-1)(x-2)で割った余りを求めよ」という問題について考えた場合、二次式で割っているため余りは一次式となります。つまり一次式の一般的な表し方ax+bを使って表してあげれば、f(1)=1とf(2)=2から連立方程式を解くことでaとbを求めることができます。
しかしながら、今回の問題については、三次式で割っているため、余りが二次式になり、ax2+bx+cと置くと条件が一つ足りないことがわかります(出てくる条件がf(-1)=2とf(1)=4の二つのみであるため)。
この足りない条件一つについては、微分によって得ることができますが、数IAの範囲においては微分を習っていないため、今回は説明しないでおきます。数IIBまで学習した場合は一度微分を使って解いてみると良いかと思います。
数IAの範囲でこの問題を解くためには余りの二次式について工夫が必要です。つまり余りをax2+bx+cと置くのではなく、設定する文字数を減らした形にする必要があります。どのようにすれば良いでしょうか。
問題文をもう一度よく読んでみましょう。
「xの整式f(x)をx+1で割ると2余り、(x-1)2で割ると3x+1余るとき、f(x)を(x+1)(x-1)2で割った余りを求めよ」
ここで、「f(x)を(x-1)2で割る」を言い換えると、「f(x)について(x-1)2によってできる限り括る」となります。このことから、f(x)を(x+1)(x-1)2で割ったときの余りの二次式についてもさらに(x-1)2で括れることに気が付きます。二次式を割ったときの余りは括りきれなかった部分を指し、それが3x+1となっています。
このことからf(x)を(x+1)(x-1)2で割った余りはa(x-1)2+3x+1と置け、未知数が一つの表し方ができることがわかりました。
他にも、以下のような方法で同じ結論が得られます。
f(x)を(x-1)2で割ると3x+1余ることから
f(x)=(x-1)2 p(x)+3x+1 と置ける
また、p(x)についてx+1で割ると余りは定数となることから
p(x)=(x+1) q(x)+a と置ける
よって
f(x)=(x-1)2 p(x)+3x+1
f(x)=(x-1)2 {(x+1) q(x)+a}+3x+1
f(x)=(x-1)2(x+1) q(x)+a(x-1)2+3x+1
結果として、この余りの置き方からf(-1)=2の条件によって
2=a(-2)2-3+1
a=1
となるため、余りは(x-1)2+3x+1=x2+x+2となります。
今回の問題に限らず、問題を解く上で未知数を置かなければならなくなったときに、できる限り文字を少なく設定する方法を考えてみると良いと思います。未知数が少ないとそれだけですっきりした式になることが多いです。また今回の問題のように状況の把握にもつながることもあります。是非とも試してください。
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