京大生が語る物理の勉強法

query_builder 2023/12/09
ブログ
school_text2_11_butsuri

こんにちは。

 

通信講座の採点をしている稲荷興心です。

先日物理の勉強法について質問されましたが、僕自身は物理を勉強したことがないので答えることができませんでした。物理基礎は高校で学んだような記憶がありますが、そのときの先生が有効数字にやたらと厳しい人で個人的には合っていると感じた答えを尽くバツにされたため、こんな教科やってられるか、と思い諦めました。しっかりやっていれば生物よりもできたかもしれないのに、もったいないことをしたような気がします。受験では一番化学ができたので、1回生の頃は化学専攻にしようかと思いましたが(京大理学部では3 回生で専攻を決めることが出来ます)、物理をまともに学んでいないのに果たしてやっていけるのかと思ってしまったので、結局生物専攻にしました。後悔はしていませんが、高校一年生が人生のターニングポイントになっているような気がしてなりません。

 

さて、少し話題は変わりますが、以前京大工学部のチューター(物理の大問一つを失敗したせいで理科が7割ぐらいだったらしいです。とんでもないですね)に物理の勉強について軽く尋ねたことがあります。彼はいろいろ方法はあるけれど、と前置きをつけた後に「結局教科書ですね」と答えました。必要な情報がまとまって載っていて、公式の導出までしっかり書いてあるので、これ以上の参考書はないといったようなことを言っていました。(特に京大では)物理の初めてみるモデルについて、解釈して自分の知っている公式をどのように利用していくのかが重要になるので、教科書に載っている知識で十分だし、教科書の知識が怪しいとなかなかこういった問題に対応できないと思う、とも言っていました。教科書で理解を深めたのちに彼は京大の物理25ヶ年をやったそうで、やはり少し特殊な方法論だったのかもしれません。

 

こういった話を聞いているとそうなのか、と思うと同時にもしかしたらある程度優秀でないとこの話に納得できないかもしれないとも思いました。受験生が求めている参考書は初めてみる物理のモデルの解釈の仕方について学べるものであるかもしれないからです。教科書レベルの知識から実際に入試問題を解くためには少し飛躍がある感触がするかもしれないということですね。なので受験生はこぞって難しい参考書をやりたがるんでしょう。

 

ただ、この話を特殊な一例として片付けてしまうのは勿体無い気がします。僕個人がひとつ感じたこととしては、問題を解釈する力というのは自分で身につけることができるし、むしろ自分の努力によってのみ身につくのではないか、ということです。難しい参考書はその方法を身につける手助けはするけれど、それをやったからといって入試問題が必ず解けるようになるわけではないのは、こう考えると当たり前な気がします。あとは自分がどういった問題集でこういった力をつけることができるかを考える必要がある気もします。先述のチューターにとってはそれが既に身についていたので、教科書と過去問で十分だったともいえるということですね。

 

ここまで物理の話をしていましたが、これは数学でも同じであることは間違いありません。演習のクラスで伸び悩んでいる生徒に対して受け身の姿勢を感じることがあります。問題を眺めているだけでは問題を解釈する力はつかないので、もっと能動的に問題に対して取り組む必要があるということです。塾ではテキストをこだわって作成しているのであまり良い言葉でないかもしれませんが(笑)、何で学ぶかよりも何を学ぶかの方が重要だな、と思った出来事でした。

 

今日は、京大生が語る物理の勉強法というブログでした。

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