複素数平面における直線の話
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
完全に秋になった感じがします。矛盾しているようですが、実感としてそうです。
さて、今日は最近塾で教えていて質問が多かった複素数平面での直線の表し方について、コツみたいなものを書いてみたいと思います。複素数は回転を扱いやすいのであまり直線について問われることは多くないイメージですが、純虚数になる条件をうまく使った面白い表し方をしているので、知っておくと応用が効くようになるのではないでしょうか。
まずは基本の確認です。複素数平面での点の平行移動についてです。複素数平面において二つの複素数の引き算はその複素数で表される点でできる線分の方向や大きさを表します。これは基本的にベクトルと同じです。
次に複素数の積は回転となります。r(cosθ+i sinθ)を掛けることで0からの距離がr倍され、θだけ回転します。
これらを組み合わせるとどうなるかというと、αに関してβをθ回転させたような点が表せるということになります。
またzが純虚数であるとき、以下の式が成立します。純虚数とすると実部が0であるためです。
さて、基礎の確認が終わったところで今日のテーマ「複素数平面における直線の表し方」について考えていこうと思います。最初に一般的な直線の表し方についてです。
なぜこう表されるかを考えていきましょう。先ほどあった通り、この式からは(z-α)/βが純虚数であることがわかります。その純虚数を実数kを用いてkiと表してみると以下のように式変形できます。
この式からz-αはβを90度回転させた直線上にあることがわかります。(i=cos90°+i sin90°であり、kを動かすことで直線上のあらゆる点を取ることができるため。)
あとはzについて考えればこの直線をαだけ平行移動させた直線上の点になることがわかります。
ここで説明を終えてもいいのですが、よく出てくる形に変形しておきましょう。
最後に例題を解いて終わりにしましょう。例題と解答は以下になります。
今日は複素数平面での直線の表し方について書いてみました。円などはすんなり理解できるのに直線になると理解しにくいということがよくあったので、理解の助けになれば幸いです。
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