モヤモヤ(入試問題)
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
普段、大学院時代に購入したMacでwordを使用してブログを作成していますが、office365のライセンスの期限が切れてしまい、2回ほどテキストエディットを使用してブログを書いていました。テキストエディットは文字数が把握できず難儀しましたが、ついにoffice 2021を導入できたので、快適に文章を書けるようになりました(Macでofficeを使うという無駄には目を瞑っておくことにしましょう)。
さて、今日は先日発見した入試問題のモヤモヤについて供養として紹介したいと思います。2022年度 京都府立大学・生命環境学部-環境・情報科学科の問題です。
(問題)
Oを原点とするxyz空間内に3点A(1, 0, 0), B(0, 2, 0), C(0, 0, 3)がある。3点A, B, Cの定める平面をαとする。α, xy平面, yz平面, zx平面のすべてに接する球面は2つある。半径の小さい方の球面をQ1, 半径が大きい方の球面をQ2とする。(以下省略)
どこにモヤモヤを感じたかというと「球面は2つある」の部分です。本当にそうなのか、と思ってしまいます。なので少し調べてみることにしましょう。
おそらく問題で想定されているQ1とQ2は、中心の座標のx, y, z成分がすべて正であるものであると推測されますが(下図参照)、これ以外にもいくつかの可能性が考えられます。計算してみたところ、こういったQ1とQ2の半径はそれぞれ1/3と3/2でした。
他の可能性の一つ目について、まずはイメージ図(下図)を見てみてください。yz平面の向こう側(特にx<0, y>0, z>0)に球の中心があるようなイメージです。
こういった球については、xy平面, yz平面, zx平面に接していることから、中心の座標は実数kを用いて(-k, k, k)とおけます。(ここでx>0, y<0, z<0にも中心が存在する可能性を考慮してk>0とせず、単に実数kとしています。)またxy平面, yz平面, zx平面に接するとき、この球の半径は|k|となります。
あとはこういった球がαと接するかどうかについて調べれば良いわけですが、これには以前のブログで紹介した点と平面の距離の公式を用います。つまり、(-k, k, k)とα: 6x+3y+2z=6の距離が|k|となれば条件を満たす球が最初に載せた球以外にも存在することになります。
この条件では二つの中心が得られました。
次にx成分とz成分が同符号でy成分だけ異符号になる部分に中心がある場合を調べてみましょう。このとき中心は(k, -k, k)とおけて、半径は|k|です。
やはり二つの中心が得られました。
最後にx成分とy成分が同符号でz成分だけ異符号になる部分に中心がある場合を調べてみましょう。このとき中心は(k, k, -k)とおけて、半径は|k|です。
面白いことにx<0, y<0, z>0にはこれを満たす中心がないことがわかります。これについて、なぜそうなっているかを考えてみましょう。
以上の計算からk<0において(k, k, -k)とxy平面の間の距離と(k, k, -k)とαの間の距離は常に6/7の幅を保ったまま変化することが分かりました。
あくまでもイメージ図になりますが、x=yという平面で空間を切り取って考えてみると、分かりやすいかもしれません。
この平面において、K : (k, k, -k)を中心とする円を、kをk<0において動かしてみると、D : (-1, -1, 0)とすると∠DOKは一定になるので、これらの円と一定の距離を保ったCを通る直線が書けます。このような直線を含む平面がαとなっているということです。
これでα, xy平面, yz平面, zx平面のすべてに接する球面は合計7個存在することが分かりました。やはり、2個だけではなかったようです。個人的には入試会場でこのことを指摘する受験生がいたのかは気になりますね。
また、今回の問題で一つ得られる知識としては以下の等式があります。
62+32+22=72
つまり点と平面の距離について、かなり問題を作りやすい形となっています。なので6x+3y+2z=6といった平面は今後も入試問題に出現するかもしれません(多分役に立たない知識ですが)。
今回は謎の入試問題に対する疑問点のブログでした。
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