第二十二回ポイント講座(数IA 円順列 重複)

query_builder 2023/07/04
ブログ
22


こんにちは。

 

オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。

植物を育てる際には基本放任主義ですが、この度伸びるがままにしていた髪の毛を切ることにし、これも一種の剪定だなと思いました。暑い日が続くので、さっぱりできてよかったです。

 

さて、採点中に感じた典型的なミスや勘違いについて書くブログの第二十二回目です。今回は前回に引き続き、場合の数の問題について届いた答案における方法を考えてみたいと思います。問題の解き方などについては前回のブログで解説しているので、もし読んでいなければこのブログを読む前に確認してみてください。

 

今回取り上げる問題は以下になります。

「A3つとB4つがある。これらを円状に並べるとき、並べ方は何通りあるか。ただし回転させて重なる並べ方は同じ並べ方とする。」

早速届いた答案について見てみましょう。個人的に不思議な答案でした。


答案にはこれ以上の説明がなかったため、少しこの解き方に使われている考え方について解釈していくことにします。

 

円順列では多くの場合、一つのものに注目してそれを固定し考えます。例えばA, B, C, D, Eの5つについて円状に並べるとき、Aの場所を固定し、そこから時計回り(もしくは反時計回り)に並べることを考えると4P4=24通りの並べ方があることが分かります。

 

届いた解答を見てみるとおそらく何かしらに注目してそれを固定して並べた(7-1)!通りについて、区別していたA3つとB4つを区別しないようにするために3!と4!で割っているように思います。

 

この答案では「何かしらに注目してそれを固定している」ものの、「固定したものを含めて区別しないように入れ替えている」という点が不思議に感じます。

 

これについて少し考えてみることにしましょう。まず、1から7までの数字が一つずつ書いてある7個の玉を用意します。1, 2, 3が書かれた玉には数字の他にAという文字が書かれており、4, 5, 6, 7が書かれた玉には数字の他にBという文字が書かれているとします。


次に1が書かれた玉を固定し、その玉より右に一列に玉を並べます。すると6P6=720なので720通りの並べ方ができます。

 


あとは幾つの並べ方が最終的に一つの並べ方にまとめられるかについて考えれば良いですが、少し難しいです。最初に円状に並べた場合にAと書かれた玉が三つ並ぶ場合について考えてみましょう。上の図で示した4つの場合(1, 2, 719, 720)については全てAが三つ並ぶ並び方になっています(1, 720については例として図を載せました)。つまり左端か右端にAが集まっていれば良いことになります。



左端に1, 2, 3がこの順で並ぶ場合について考えてみると、Bの並べ方を変えれば良いので4P4=24通りあることが分かります。

また左端に1, 3, 2がこの順で並ぶ時についても同様です。 

左端に1,2が並び、右端に3がある場合も同じになります。

左端が1,3の場合も同様です。

右端に2, 3がこの順で並ぶ場合や3,2がこの順で並ぶ場合も同様です。

 


結局円状に並べる際に、6×24通りの重複が生じることが分かりました。つまり重複は3P3×4P4通りとなっています。これが他の場合にも成り立つかについて考えてみることにします。すると先ほどの1を固定した場合について、左端にあるAの個数の違い(1~3個)は円状に並べた際の切れ込みの入れる位置の違いと対応していることがわかります(3個 : I, 2個 : II, 1個 : III)。


このことから、例えばAが2個と1個に分かれるような図の場合でも、どれを固定した1の玉にするかでイ、ロ、ハの3通りあり、そこを固定した場合にはやはり2と3の玉を残りの2箇所に配置する2通りが考えられます。この場合においても図のように並べた場合、玉の並べ方は3P3×4P4通りの重複がみられることになります。このことはこれ以外の並べ方に対しても成り立ちます。


ここで前回のブログを思い出してほしいのですが、AとBの個数が互いに素であるときは円状に並べた際に循環は存在しないことがわかっているので、A3つとB4つを円状に並べる場合、固定する場所を変えるとそれぞれについて対応する並びが定まることになります。一方A3つとB3つとすると、図のような場合において一つの並びに対して固定する固定の仕方が3通り存在してしまうことが分かります。


ここまでの議論において答案の方法はAとBの個数が互いに素であるときには、答えを求めるために問題がない方法であることが分かりました。

 

今回の問題においていろいろな考え方で場合の数が求まることが分かりましたが、幾つかの考え方においては個数の条件が変化すると成り立たないこともあるということもわかりました。具体例から一般的な話へと発展させることを帰納法と言いますが、案外具体例ばかり考えると一般に成り立たない場合に気が付かなかったりするということも面白い点ですね。自分が考えた結論が一般に成り立つのかについて考えてみるのも勉強になります。

 

今回のブログはここまでにしましょう。


NEW

  • 雑多な話題

    query_builder 2024/11/18
  • 新しい高校受験の方法について

    query_builder 2024/11/05
  • 授業効率の2倍化について

    query_builder 2024/10/29
  • 東大の数学の入試問題で発見した少し面白い話

    query_builder 2024/10/26
  • 公立高校から京大に確実に現役合格する方法

    query_builder 2024/10/19

CATEGORY

ARCHIVE