第十八回ポイント講座(数IIB ベクトル 内分点と外分点)
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
今朝錦織圭が久しぶりに試合をしているのを観戦しました。試合後にファンへのコメントを求められたときに「もう少し静かな環境でテニスがしたかった」とコメントしていて面白いコメントだなと思いました。かなりプレッシャーがあったのではないかと思います。
さて、採点中に感じた典型的なミスや勘違いについて書くブログの第十八回目です。今回は内分点のベクトルについて、いくつか考えてみたいと思います。
まずは内分点と外分点のベクトルについておさらいしておきましょう。ABの内分点や外分点は単純に考えると直線AB上の点となっているので、点Pを直線AB上の点として直線AB上にない点Oからのベクトルを考えます。するとOAベクトルとOBベクトルで表せるようになります。これが内分点や外分点のベクトルです(II)。
この式から当たり前だと分かりますが、内分点や外分点のベクトルは二つのベクトルの係数を足すと1になっています。つまり直線AB上に点Pが存在するとき、OPベクトルを考えるとOAベクトルとOBベクトルの係数の和が(1-k)+k=1であるということです。
では三角形OABの内部に点Pが存在する場合に、OAベクトルとOBベクトルでOPベクトルを表すと係数はどうなるでしょうか。まずは上の図を観察してみましょう。最初の式(I)に戻るとtの値が0~1であれば線分AB上にPが存在していることが分かります(i)。またtの値が1を上回るとBより右にPが存在し(ii)、tが負の値を取ればAより左に存在します(iii)。
次に直線OP上の点について考えてみましょう。下図から点PがABの外分点のときには直線OPは三角形OABの外部に位置していることが分かります。また、点PがABの内分点のときには線分OP上の点が三角形OAB内に存在します。
このことから以下のようになればQが三角形OABの内部にあります。
この考えを応用すれば空間においても同様の話が成立することが分かります。下図について考えてみましょう。
すると以下のようになります。
さて、十分にベクトルのイメージができたところで前回の最後の質問に対する解答を考えてみましょう。前回の質問は次のようなものでした。
「A : (1, 0, 3)、B : (2, -2, 6)、C : (3, 1, 4)、D : (1, -3, 0)とするとき、Dから平面ABCに下ろした垂線の足Hは三角形ABCの内部に存在するか」
まずは前回の復習として点Hの座標を求めてみましょう。
Hが求まった段階でA, B, Cのx座標が正でHのx座標が負であることからHは三角形ABCの外部に存在していることは分かってしまいましたが(笑)、これまでの話を使って考えてみることにしましょう。
方法①
Oを始点としてHが三角形ABCの内部にあるかを判断する方法があります。
方法②
Aを始点としてHが三角形ABCの内部にあるかを判断する方法もあります。
いずれの方法においても同じ結論が得られました。計算が楽だと思うのは方法②の方です。やはり空間よりも平面の方が扱いやすいと思います。また方法①においてHがACを1 : 2に外分することを求めたところは最初に説明した(II)の式でBをCに変換し、k=-1とした式になっていることがわかったため、(I)の式からAに対してCとは反対側にあることが判断できました。
最後に蛇足気味ではありますが、よく問われる内分点のベクトルの問題について復習をしておきましょう。例題は以下になります。
とても基本的な問題ですが、案外(1)ができていない解答を見かけます。次回解答は載せるので出来ていたかを確認してみてください。ベクトルは慣れれば簡単な分野だと思っていますが、苦手意識がある人が多いようにも思います。基本から確認して得意分野にしていきましょう。
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