作文のすゝめ
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
ブログを数百字だけ書いては消しといった繰り返しを二回ほどしていました。なかなか思うように切れ味の鋭い文章を書くのは簡単ではないですね。キレのいい文章を書こうとするあまり、失礼な文章になってしまっては本末転倒ですし。練習していかねば、と思いました。これはなかなかに長い道のりです。
文章を定期的に書くようになったのはここ2年ほどのことですが、多くの人がそうであるように小中学生の時には夏になると読書感想文とやらを書いたような気もします。あれには困りました。本を読むのは嫌いではなかったため、書く対象となる本を選ぶのには苦労しませんでしたが、肝心の書く内容についてはいつも定まらず、読みにくい文章になってしまっていました。大体の場合、読んだ本の内容自体は良いので誉めておくべきだと考えて書き始めるのですが、そうなると後が続かずオチをつけるのに苦労しました(関西人なのでオチがない文章を書くのに抵抗があります)。後から知ったことですが、内容を批評する感じで書くと良いようです。自分の経験に絡めて書くのもおすすめとありました。
高校生でもやはり読書感想文はありましたが、そんなに頻繁に文章を書くことはなく、大学生になって初めてレポートという形で頻繁に文章を書くようになりました。英作文の授業で自分の好きなものについて書くという課題が出た時、友人の一人がGoogle翻訳を使用してレポートを完成させた際、日本語の入力の時に「像」を「象」と打ち間違えたことで教授にGoogle翻訳を使用したことがバレたという出来事をいまだに覚えています(あれは一回生の頃だったので7,8年も前のことのようです)。あれはひとしきり笑った後になお笑いが溢れてしまうような逸話でした。その文章を読んだ教授も唐突に「elephant」と出てきてさぞびっくりしたことでしょう。そんな余談は置いておいて、人文社会学のよくわからないテーマのレポートや生物学の実験レポート、はたまた研究倫理に関するレポートなどいろいろな場面でレポートを書く経験を積みました。あまり大学の授業ではレポートが添削されて返ってきたりはしないのですが、さまざまなテーマについて調べたりしながら文章を書くというだけでも良い経験になったと感じています。調べる、まとめる、書く内容を吟味して取捨選択する、文章の構成を考える、実際に文章を書く、という一連の流れは他の場所にも大いに役立っていると思います。
最近はAIにレポートを書かせる学生もいるようですが、正直なところ、あまり推奨すべきではないと感じています。ある程度文章の形がまとまった状態で出力されたものを手直ししても、文章の構成を考える力は全く付かないからです。また、実際にたくさん書いてみる経験をしないことには文章の良し悪しを判断する能力がつかないというのも事実であるような気がします。便利な道具に頼るのも良いですが、便利な道具なしでは立ち行かなくなるのであれば、それは一度考え直す必要がある事象であるでしょう。小中学生はレポートを書く機会は少ないと思いますが、今後のためにも何か文章を書くときには、最初はできるだけ自分の言葉で書いてみてほしいなと思います。それが国語だけでなく数学や英語、理科や社会に活きる技術を身に付けることにつながるでしょう。
ということで「作文のすゝめ」という内容で今回は書いてみました。文章を書くのは基本的に誰にでもできる作業でありながら、その反面書いた人のことが如実に表れる行為でもあります。たまには自分がどういった人間であるのかを考えるきっかけとして文章を書いてみるのはいかがでしょうか。案外楽しいものですよ。
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