海のものとも...
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
「海の物とも山の物ともつかない」という言葉は正体がはっきりしないものに対して使用する言葉だということは知っていましたが、どちらかというと先のことがわからないことに対して使用するということは最近初めて知りました。しかしながら海産物か、それとも陸産物かの見分けがつかないものがどういったものであるか、あまり想像できません。キクラゲとかでしょうか(キノコの仲間なので陸で取れます)。他の例について考えてみると、海で釣りをしている際にたまにウミケムシという生き物が引っかかったりしますが、ケムシとは名ばかりでしっかりみてみるとゴカイなどの環形動物の仲間だと分かり、海の物であることは明確に感じます(環形動物であれば陸にはミミズなどもいますが…)。この言葉が使われ始めたときにどういったものが想定されていたのかが気になってしまいます。
しょうもないことを考えているうちに、小さい頃に「ゲッチョ昆虫記 新種はこうして見つけよう」という本を読んだことを思い出しました。海にいるとても小さなアメンボ(そのままウミアメンボと言うらしいです)を広い海原で採取する話が出ていたと記憶しています。海にもアメンボの仲間がいることにももちろん驚きを感じましたが(浮遊する餌から栄養を吸う生活をしているため餌の量が海の上では不足する感じがします)、それ以上にそんな小さな虫を真剣に追い求める人がいることに驚きました。それをする理由が全く理解できなかったからです。後から思えば少々冷めた読み方をしてしまったかもしれないと思い反省しています。
大学に入ってから、「そんなことが実生活にどう活用されるのか」という研究をしている研究室もたくさん見かけましたが、今では意識も変わって「いろいろなことを突き詰められる環境はあればあるほど良い」と感じています。そこにある目的は自分さえわかっていれば十分だとも思います(もちろん自分の研究の価値を発信する努力は欠いてはならないものだとは思いますが…)。是非とも大学に学問の場が残されていくことを願っています。そしてそういった場に意欲ある学生が進学できる余地も残されてほしいですね。
高校生までは「海の物とも山の物ともつかない」と言われがちな時期だと思います。言い換えるとさまざまな可能性を秘めているといえるでしょう。そんな時期に勉強は向いていないからと諦めてしまうことなくやってみてはどうでしょう。自分が海の物か、それとも山の物かを判断するのはもう少し時間が経ってからでも遅くないのではないでしょうか。
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