東大と京大の入試の配点について
こんにちは。
今回は東大と京大の理系の入試の配点についてのブログです。
突然ですが、進路に悩んでいたりはしませんか?大学入学後に何を学ぼうか決めかねている人もいるかもしれません。案外入学してみないことには実際に学べる内容がはっきりしないことも多いでしょう。そういった場合はオープンキャンパスに行ったり、ウェブで調べたりすることで、ある程度しっかりしたイメージを持つことは可能だと思います。
しかしながら、進路を考える上で入試科目やその配点から考えてみるのも一つの手です。僕は最終的に京大の理学部に進学しましたが、農学部(特に応用生命学科)でもおおよそ同じことが学べるような気がしたので出願まで悩みました。その際、苦手科目の英語の配点が農学部に比べて理学部で小さいことや、失敗したセンター試験の配点の比率が理学部の方が小さいことで理学部に出願することにしました。そういった例はよくあることだと思っています。また、仮に現段階で進路を決めているにしても配点を知っておいて損はないです。何を重点的に勉強するのが良いかが見えてくるからです。
では早速ですが、東大と京大の理系学部における二次試験の配点についての表を見てみましょう。
上の段が実際の配点で下の段が二次試験の配点の合計に占める各科目の配点のパーセンテージです。東大は理I、理II、理IIIで配点が変わらないので一律でまとめてあります。一方、京大では各学部によって配点に大きなバラつきがあることがわかります。これは東大では進振りがあって進学後に進路決定を行うのに対して、京大では学部ごとに合格者を決定しているので入試の段階で欲しい学生像が明確であるため、のような気がします…。
その仮説に沿って、京大の配点の比率についてみてみましょう。個人的には大きく分けて三つのグループがあるように感じています。
① 数学、理科重視の学部
これには総人(総合人間学部)、理学部、工学部が当てはまります。理系経済は入試科目に理科がありませんが、このグループに属するような気がします(しかしながら、英語の配点の比率が全学部トップなので完全にそうとは言い切れないかもしれません)。このグループでは論理的に思考した結果が表現できるかを重視しているように思えます。また、数学や理科に振り切った尖った人材を探しているとも言えるでしょう(たまに数学と理科がほぼ満点で他の科目が壊滅的な学生もいます…)。
② 英語、数学、理科均一型の学部
これには人健(医学部人間健康科学科)、薬学部、農学部が当てはまります。教育学部も理科が一科目であることを考慮すればこのグループに属すると言って良いでしょう。このグループでは各科目満遍なく学習してきた学生を選別したいという意図を感じます。入学後の印象でも、これらの学部の学生は理学部などに比べて接しやすい人が多く(笑)、尖っている人が少ない印象でした。また女性が多い学部という印象もあります(そこまで大きな差はありませんが)。
③ 英語、理科重視の学部
これには医学部医学科のみが当てはまります。面白いことに、他のグループでは重視されていた数学の配点の比率が英語と理科に比べて低くなっています。理由は定かではありませんが、安定しにくい数学の配点を低くし、安定した実力を発揮しやすい英語や理科の配点を高く取ることにより、普段通りの実力を測りたい意図も感じます。①のグループと比較して安定した実力が問われているとも言えるでしょう。
次に国語の配点についてもみてみましょう。理科の科目が少なかったり、理科自体がなかったりする教育学部や経済学部では、やはり少し国語の占める比率が高くなってしまいますが、それ以外の学部では低いところで12.5%(工学部)、高いところで21.2%(総合人間学部)となっています。総合人間学部は①のグループ(数学・理科重視)に属しているとしましたが、国語も重要視しているようです(総合人間とつくだけあって総合的ですね笑)。一方、理学部・医学部医学科・薬学部・工学部・農学部ではおよそ15%以下となっているため、他の科目に比べて国語の重要度はかなり低く感じます。
東大の配点についてもみてみると②のパターン(英語・数学・理科均一)であることがわかります。この配点は総合的な学力を測りたいということなのかもしれないなとも感じます。配点の比率だけをみると人健と一番近い比率になっていて面白く感じました。国語をかなり重視している結果ではないでしょうか。入学後の学生の印象はあまり東大生と関わったことがないので何とも言えません。東大に進学していった塾生もさまざまな生徒がいたので一概には言えませんが、京大に進学した塾生に比べて真面目な生徒が多いような感触があります。
最後に共通テストの配点が占める割合についても確認しておきます。どの科目が配点として加算されるかは学部によって異なるためあまり良い分析ではありませんが、共通テストをどれぐらい重視しているかの指標にはなるでしょう。比率の計算の仕方は共通テストの配点を共通テストと二次試験の配点の合計で割ったときのパーセントになります。総合人間学部が非常に低くなっていますが、その他の学部ではおよそ20%~30%の範囲にあります。面白いことに二次試験の配点では農学部と薬学部は同じになっているものの、共通テストの占める割合では農学部の方がかなり高くなっています。二次試験の理科の科目が少ない学部では少し高めに出ていますが、それと比較しても農学部が非常に高いことがわかります。また東大ではちょうど20%になるように調整されており、京大のさまざまな学部と比較しても低いことがわかります。共通テストができてもあまり恩恵は受けることができないということですね。
今回は実際に受験生にならないと軽視されがちな配点について注目してブログを書いてみました。配点の妙によって受かることもあれば落ちることもある(実際に落ちた時は理学部以外なら受かっていました…)ので、進路を考える際の一つの判断基準になれば良いなと思っています。
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