最近の出来事について
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
何か書こうと思っていますが、なかなかネタがありません…。塾の方に移動させた植物から元気に新芽が出てきたことが最近あった良かったことの一つです。加えて自宅の方では季(スモモ)の実が少しずつ大きくなってきました。それぐらいしか出来事がありません。
仕方がないので身近にあったことでも書こうかと思います。最近、塾の方では小テストの採点などをしていて、嘘は書かれていないのに読みにくい答案を見かけました。よく読んでみると、等式で繋がれていくところの順番が論理展開の順番と一致していないことから生じている違和感でした。話を単純化して書いてみると「A=Cを示せ」という問いに対して、「A=B, B=CであるからB=C=A」といった答案があったということです。これではBを変形していった結果としてAになった、というように読めてしまいます。また途中で出てくるC=Aとなる理由がどこにあるのか分かりません。等式を示したい場合は示したい等式の左辺(もしくは右辺)を変形することで左辺(もしくは左辺)になったという形にするのが良いでしょう。もちろん(左辺)−(右辺)が0になることを目標にしても構いません。いずれにしても論理の流れを重要にして答案を書くことを意識することが大事だと感じています。
他にも気になる答案がありました。答案の途中に後半で言及しやすくするために「A=B …(*)」といった記号はよく使われ、この(*)は式全体について引用するためのものだと思っていますが(つまり「(*)より…」のように使用されるものであると思っていますが)、ある答案を見ていると後の方で「(*)=…」といった式が出てきていてモヤッとしました。もちろん意味自体は文脈から汲み取ることができますが、式や値と等式という比較できないものを比較するような論理の曖昧さを感じてしまうと答案に対する印象が悪くなってしまいます。
答案を書くときに出る悪い癖は意識すると直せる可能性がありますが、意識しないといつまで経っても直る事はありません。特に答案に使用する言葉の癖は修正するのが難しく感じています。言葉と論理はかなり近しいものであるので、使う言葉を重要視していないとたくさん勉強しているはずなのに論理がめちゃくちゃな答案を書き続けることもあり得ます。大抵の場合、悪い癖が直っていかない学生(数学ができるようにならないと嘆いていることが多い)はこういった指摘に対して「そんな細かい部分は大事でない」と思っているように感じていますが、認識を改めて「細かい部分」が実は重要であることを理解することが数学力を上げる第一歩になるのではないでしょうか。数学の答案では答えを合わせることと、その答えに至るまでの過程に論理的な問題がないことの両方が重要で、その過程をおろそかにすることは、答え自体の信用を損なうことになります。加えて思考を積み重ねていくという経験も数学を学ぶ醍醐味であるので、答えを出すことだけに執着するのは勿体無いように感じます。答えを出すまでの過程を面白いと思って数学を学んでほしいなと思っています。それが最終的には数学の点数にも繋がるはずなので…。
最近あったことについて書いてみると色々書きすぎてしまいました…。長い文章になってしまったので、一言で簡潔にまとめておくと、「答案内で使用する言葉(つまり論理)には注意を払おう」ということを伝えたくて、この文章を書いてみました(一言ではなかったですね笑)。数学は理科系の科目と近い科目であるように思われることが多いと感じていますが、実は国語ともかなり近いように思っています(数学における論理は国語おけるそれとは少し違うようには思いますが)。数学を学ぶことで他の科目にも活きる力をつけてもらえればとても嬉しく思います。
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