自由研究?(生物学に関するいくつかのツールの紹介)

query_builder 2023/08/09
ブログ
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こんにちは。

 

オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。

落花生にはカルシウムが必要と言われているので適当に苦土石灰を撒いてみたら見事に花が咲かなくなりました…。お菓子作りと同じで分量を適当にしてしまうと失敗しますね。ここから巻き返せるか頑張ってみたいと思います(頑張るのは落花生ですが)。

 

さて、数日前にもブログで触れた通り、明日から塾は夏季休暇です。8/16まで休みになっています。学校も休みだと思うので、思う存分好きなことに取り組む期間になったらいいなと思っています。僕自身は小中学校の時に夏休みの課題とやらをあまりやった覚えがなく、大変だった覚えがありません。しかしおそらく自由研究などを頑張ってやらせる親からしたら大変だったのではないかと思っています。

 

そこで子供一人でも楽しめて自由研究のテーマにもなりうる(?)webサイトを紹介したいと思います。使い方次第ではもしかしたらいろいろ遊べるかもしれません。

 

そのサイトはensemblです。発見された遺伝子などのデータベースとなっているので、ありとあらゆる遺伝子(もちろん網羅されているわけではありません)が探せば出てきます。

 

今回はこれを使って一つの遺伝子について軽く触れてみたいと思います。このページを開くとこういった画面になると思いますが、最初に調べる生物を選択することができます。遺伝子と言っても生物種の間で違いがあるので、それぞれの生物について遺伝子を調べることができます。今回はヒトで検索することにしましょう。

 


今回検索するのはII型コラーゲンα1鎖です。検索には基本的に略語を使った方がヒットしやすいので「col1a1」と記入してみましょう。すると一番上に目的の遺伝子(gene)がヒットしました。

 


このページに飛んでみるとII型コラーゲンα1鎖であることが分かります。次にこの遺伝子の塩基配列を見てみることにしましょう。ページの左の方に「Export data」とあるので、そこをクリックしてみると選択できる画面が出てきます。

 


あまりいじることなく「Next」を押すと、データの出力方法が出るので好きなものを選択しましょう。Textがいい気もします。

 


すると大量のA, T, G, Cが並んだ画面が出てきます。その中で上の行のところに「cdna: protein_coding」とある部分について今回は話を進めたいと思います。
 
ここからは「ape」というプラスミド用のソフトを使用していますが、「タンパク質 翻訳 ツール」と調べればいくつかのサイトが出てくるので、そういったサイトを使用しても同じことができると思います。
 
ここからは少し生物学の知識が必要になりますが、大した話ではないので軽く読んでくれれば良いです(この事実の発見の部分は「二重らせん」という本で発見者本人が書いているので興味があればそちらもどうぞ)
 
細胞の中には核と呼ばれる部分があり、その中にDNAという物質が格納されています。DNAは生物に必要な情報がすべて載っていますが、細胞、ひいては生物が機能するには情報が載っているDNAではなく実際に働くタンパク質が必要になり、情報が載っているDNAを使用してタンパク質を合成する必要があります。ただし、DNAはあまりに膨大な量であるため、実際に使用するには一部分だけを使用することになります。
 
DNAは4つの塩基(A, T, G, C)が連なった形で情報を持っていますが、使用される際はそのDNAの情報のごく一部をmRNAという物質に移し替えます。この移し替えられる部分を「遺伝子」と呼びます。mRNAもDNAと同様に4つの塩基(正確にはDNAと少し異なる部分もあります)で構成されており、情報が等価でDNAからmRNAへと変換されます。このmRNAの塩基3つずつの情報によって一つのアミノ酸が決定され、アミノ酸がつながってタンパク質が出来上がります。
 
つまり今回重要なのはA, T, G, Cの三つのかたまりがアミノ酸一つと対応しているということです。そこでA, T, G, Cを三つずつアミノ酸に対応させるとどこからスタートさせるかで3通りあるというわけです。今回はGCA…から始まっているので、Gから開始されるパターン(1)Cから開始されるパターン(2)Aから開始されるパターン(3)3種類ありますがそれぞれについてタンパク質に変換してみると、星マーク(*)はアミノ酸に対応しない部分でありこれがない部分が一番長いのは(3)であることが分かります。つまり(3)がヒトの中で作られているタンパク質であることが予想されました。
 (1)(2)(3)
また(3)のタンパク質の中でG(グリシン)が非常に多いことがわかり、Gが3つに一回現れていることも分かります。この特徴についてはこのページに詳しく出ています。
 
少し小中学生にはできることが少なく感じるかもしれませんが、いくつかのページを使えば二つの遺伝子がどれぐらい似ているのかなどを調べることも可能です。例えばヒトとマウスのII型コラーゲンα1鎖がどれぐらい似ているかを遺伝子レベルで調べた結果(一部)が下の画像となります。かなり似ていると言っていいでしょう。
似てるかを調べる
ドメイン(特定の機能を持つ部分)を調べる
 
少し特殊なブログになってしまいましたが、いろいろ遊び方はあると思うので気になったらwebサイトを覗いてみると楽しめるかもしれません。また、こういった生物学の話に興味があれば小中学生には「細胞の中の分子生物学(ブルーバックス)」がおすすめです(所属していた研究室の教授が書いた本です)。初学者でも読みやすいように書いてあるので、最初に読むには最適だと思っています。
 
今回はここまでにしておきましょう。楽しい夏休みになることを願っています。



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