幾何と中学数学と高校数学と
こんにちは。
オンライン講座の採点をしている稲荷興心です。
最近お昼間に眠いことが多い割には夜になると眠気が来ず、脳に反旗を翻されている気分です。起床時間が乱れるとダメですね。
話は変わりますが、ブログに使用する写真は大抵の場合、過去に自分で撮った写真か自分で作図した図になっています。そのためブログのネタを探すために過去の写真を見返すことがありますが、懐かしい写真が発掘されたのでそれについて少し書いてみたいと思います。写真は僕が中学生のときに作った正二十面体です。なぜ正十二面体じゃないのかというと、正五角形の作図方法を知らなかったからです。その点、正三角形は作図が簡単なので展開図が描きやすく、作るのにおすすめの正多面体となっています。
今回のブログは幾何の問題が解けない生徒に見られるいくつかの特徴について書いてみたいと思います。ただし、僕自身の経験則なので全ての場合で当てはまるというわけではありません。その点をご了承ください。
オンライン講座の採点を始めるかなり前、具体的には大学一回生のときから、中学数学を塾で教えていたので、さまざまな小中学生に中学数学を教えてきました。多くの場合、生徒と数回接すると代数(中学数学の最初の分野)の実力は大体わかります。ただ、幾何の分野になると、代数を教えていたときに感じた印象と全然印象が違ってくる生徒がしばしばいました。
そのぐらいの学年の生徒にとって、代数の分野ができるかどうかは真面目に取り組むかどうかにかなり依存するので、代数を教えているときに感じる印象は普段の勉強に対する態度とズレがあまりないことが多いです。一方、幾何の分野では普段あまり熱心に勉強していない生徒が苦労なく勉強を進めていたり、真面目に取り組んでいるはずの生徒がかなり苦戦していたりすることが多いです。
この幾何の得意不得意はどういったところで生じるのかについて考えてみると、案外シンプルな部分に帰着する気もします。幾何ができない生徒に多い特徴として、「必要な情報を図に書き込まない」という点が挙げられます。例えば「ABの中点をCとする」とあれば、ABの真ん中あたりにCを書き込んでそれで終わりといった感じです。また二つの角度が等しいなどと書かれているときも図に書き入れなかったりします。
中学数学の幾何において、難問でない普通の問題はいくつかの与えられた情報を解釈することと知っている定理などを活用することを求められますが、与えられた情報や得られた情報を総合的に考えるためには、目が届く範囲(大抵は一つの図)に必要な情報が揃っていることが重要になります。
また、この特徴と関連して図を描くのが苦手な場合も多いです。図を描くのが苦手とは、デッサンが苦手などといったことではなく、単純に書く図が小さい場合や辺の長さが反映されていない場合などがあります。また空間図形の問題で適切な平面で切った断面の図形がわかっていない場合もあります。
これらの苦手はいくつかの点(辺の長さや角度など)を意識して描くことで改善されていくものだと思っています。ただし、角度を意識して描くうえで60度や30度がおよそどれぐらいの大きさの角度であるかを感覚的に知っていることは大事なので、図を描くのがとても苦手という場合は正三角形や角の二等分線の作図をしてみるのもいいかもしれません。また空間図形における断面の把握が苦手な生徒には「豆腐を包丁で切るイメージ」と伝えていますが、これは平行な対面における切り口がつくる線は平行になることを理解してもらうためです(下図参照)。こういった点に注意しながら図を描くことを続ければ自ずと図は描けるようになると思います。
また、幾何が苦手な生徒によくある特徴として、予想を条件と間違えることがよくあります。これは、図形を眺めていて感じたこと(辺の長さが同じに見えるので正三角形かもしれない、といった予想)が問題を解いている間に与えられた条件に変わってしまう、ということです。これは最初の特徴と少し近く、解いている途中で何がわかっていて何がわかっていないかが曖昧になっているように思います。
今回は中学数学の幾何を苦手とする生徒に当てはまるいくつかの特徴について書いてみましたが、これは中学数学に限らず高校数学になっても(むしろ高校数学の方が)影響を与える気がします。というのも、高校数学の多くの問題で、幾何の問題と同様に「いくつかの与えられた情報を解釈することと知っている定理などを活用することを求められる」からです。(とはいえども、高校数学を勉強している生徒に今から幾何の問題の勉強をした方がいいなどとは言いませんが。)
また、図形を正しく描けるということも高校数学では大事になります。平面・空間ベクトルや微分・積分のグラフなど正しい図が描けることが前提となる分野もいくつかあります。今中学生の学生は与えられた条件を満たすような図をしっかりと描けるように練習しておくと高校数学を学ぶときに役立つかもしれません。
今回は過去の写真から始まったブログでしたが、長々と書き過ぎてしまいました。今回の内容をまとめると図形と仲良くなるために正多面体を作ってみようといった感じになります。正二十面体の一つの展開図はブログの写真として載せています。ぜひ活用してください。
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