閑さや...
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
朝起きたら蝉の声がしました。その蝉の声を聞きながら「うるささや 部屋に攻め入る 蝉の声」という俳句が浮かんできました。山の中では岩に染み込んでいくような蝉の音も、都会ではただ反響するだけです。願わくば蝉の声にわずかばかりの涼しさを感じられる世の中であって欲しいものです。そんな願いを込めて萎れた植物の水やりがてらに塾の前に打ち水をしました。効果があれば良いのですが…。
最近、怪しげなる装置によって地球温暖化の進行を止めることができると主張している人物を見かけました(装置や開発者の名前はあえて書きません)。どうやら水酸化ナトリウム水溶液が二酸化炭素を吸収する現象を利用しているようです。原理は至極真っ当です。反応生成物である炭酸ナトリウムと聞くと二段滴定を思い出します。そういえばなぜ炭酸水素ナトリウムではなく炭酸ナトリウムが反応生成物になるのでしょうか。どうやら炭酸水素ナトリウムよりも水酸化ナトリウムの方が強い塩基であることによって起こるようです。つまり水酸化ナトリウムと炭酸の反応は一気に二段階進むということですね。久しぶりに化学について考える機会を得ました。受験生の時は得意だったことを誇っていましたが、数年もすると記憶の彼方に去っていってしまうようです。ちなみに「化学の新演習」にはイオン交換膜法による水酸化ナトリウムの生成方法や炭酸の電離平衡についての問題も載っているので練習しておくと安心です(2005年に発行された版ではそれぞれ問題番号139番と115番)。この問題集には大変お世話になりました。問題文が長めの問題が多いので重要問題集に比べてより本番に即して練習できる点が良いと思っています。京大を受験する場合は重要問題集を終えた後に取り組んでおくことをお勧めします。
打ち水も怪しい装置も地球温暖化にはわずかばかりも影響を与えないかもしれませんが、化学の知識は周囲の世界への理解を鮮明にし、ひいては地球温暖化をはじめとする諸問題に対する解決策を与えてくれるかもしれません。いつかは夏でも涼しく過ごせる快適な世界になって欲しいなと願いながら今日のブログを終えたいと思います。
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