浪人生に送るエールの言葉

query_builder 2024/03/14
ブログ
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こんにちは。

 

通信講座の採点をしている稲荷興心です。

ブログの更新ができなかったので深夜に少し書き始めました。眠くならない夜です。今日は追い立てられるように作業をしたように感じています。そして疲れ切った日はどちらかというと眠気がきません。普段より疲れているはずなのに不思議です。

 

せっかくこういった時間に書いているので、少し思い出話でもしようかと思います。というのも、先日浪人することを決めたばかりの生徒が自習室に来たので、僕が浪人生だった頃を思い出したからです。こんなことを言うと少し通信講座の受講生を不安にさせるかもしれませんが、実は僕自身が受験生だった頃はあまり数学が得意ではありませんでした。なんというか、数学って感覚に頼りすぎている科目に感じていたような気がします…。解けるか解けないかはその時の運次第という感じがして、努力の方向性が曖昧なように感じてもいました。もちろん苦手ではありませんでしたし、最終的には数学で文系科目の負け分を取り戻して合格もしましたが、この感覚は結局受験が終わるまでなかなか改善されませんでした。

 

では、どのタイミングでこの感覚が薄れたかというと、大学合格後に塾でアルバイトを始めて少し経った頃です。何が変わったかというと、圧倒的に数学について言語化する機会が増えました。アルバイトを始めるまでの受験生だった時期は勉強というものは自分でするものでしたし、自分が考えた過程を文章にする機会はあったものの、言葉にまでする機会というのはあまりありませんでした。しかしながらアルバイトをしながら生徒の質問に答えていると、数学を言葉で説明する場面が多くなります。質問に答える時の流れとしては、最初に生徒が理解できていないところを把握し、そこを解消できる説明を考えて伝え、それでも疑問点が残ればさらに説明を考える、という感じになりますが、結局自分でしっかり理解できていないと相手に伝わるようには説明できないものです。むしろよく理解していなかったら相手が何を理解できていないかについて曖昧なままになるでしょう。アルバイトを始めた当初は問われる質問に四苦八苦してしまうことが多かったですが、数をこなすうちに数学に対する理解が深まり、最近は苦労する場面が減りました。加えて質問に対する対応も最初の頃と比較して少し変わったように思います。どう変わったかというと、生徒の質問についてより一層しっかりと聞くようになりました。どこがわかっていないかを理解することのほうが、素早く説明を始めることよりもよっぽど重要であるなと感じたからです。

 

さて、この経験を学生にどのように適用するべきでしょうか。普通の学生にとって数学を他人に説明する機会はそこまで多くないでしょうし、自分の理解が深まるような質問をしてくれる友人はさらに少ないことでしょう。つまり、なかなかそのまま適用できそうにはありません。そこで、数学を勉強する難しさについてもう少し考えてみると、理解度を測る機会が少ないのが問題であるように思えます。質問されて、それに答えるという機会は自分の理解の甘さを痛感する良い機会となりますが、そうした機会は学生でも自分で作り出すことができるはずです。その方法について考えてみましょう。そうすると説明しようとする、つまり言語化しようとする、ということがとても重要であることがわかります。そこで初めて自分が理解できていなかった部分が浮かび上がってくるからです。あとは、そういった機会をどう作るかですが、これは以前から書いている通り「解けなかった問題について解答を読んで納得した後に解答を見ずに再現してみる」ことを繰り返すことで可能になると思います。理解したと思い込んでいても、いざ再現してみようと思うと必ず詰まるところが出てきます。そこがしっかり理解できていないところです。それが発見できたならば、再度解答を読み直して再現することを繰り返すことで、自力で答案が書けるようになるでしょう。これがこの数年間で感じた数学における努力の方向性となります。

 

しかしながら、数学が理科と比べて比較にならないほど実力を発揮しにくい科目であるということは、未だに感じています。理科で大コケして受からなかったという話はあまり聞きませんが、数学で失敗して受からなかったという話はとてもよく聞きます。これについてはなかなか解決策を提示しにくいですが、一つ言えることとしては普段から問題文をよく読むことが非常に大事であるように思います。例えていうならば、生徒からの質問を解釈するように問題文を読むといった…(わかりにくいですが)。問題文を読む際に「つまるところどういうことを問うているのか」ということを常に重視するようにすれば、本番のプレッシャーがかかった状況でも解決方法に近づいていけると感じています。普段の勉強への向き合い方が学力が伸びるかどうかに影響を与え、ひいては最終的な結果にも直結するといえるのではないでしょうか。

 

受験が終わったということは次の受験が一年後になったということです。今から勉強に対する認識を変えれば数ヶ月後には大きな変化となって現れることでしょう。浪人することになった場合はやはり以前までの取り組み方を見直す必要があるということです。是非とも自分に足らない部分を見つめ直して頑張ってほしいですね。


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