定理や公式の扱いについて
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
共通テスト直前ということで演習のクラスが休みのため、明日と明後日は塾が休みになっています。また、明明後日も通信講座の採点をお休みさせていただきます。新年早々休みが多くなってしまいますが、ご了承ください。
さて、最近通信講座の方の質問で「高校数学ではいろいろな定理や公式が出てくるが、答案に証明なしに用いて良いかどうかの判断はどうするべきか」という質問をされました。これはなかなか難しい問題です(笑)。マーク式ではなく記述式の設問だった場合、減点の基準は採点者が設定しているので、できる限り減点されないようにしておきたいならば、定理や公式についても証明しておく方が良いのは当たり前です。しかし試験時間に限りがある都合上、全ての定理や公式についてそうするのはあまり現実的ではありません。
ということで一つの判断基準について書いておきます。答案は採点者とのコミュニケーションの手段なので、定理や公式が採点者にとって当たり前であればわざわざ言及する必要はありません。つまり教科書に出てくるような定理や公式であれば、基本的に採点者との間で共通認識があるので証明は必要ないということです。一方で使用頻度が低い定理や公式についてはやはり証明しておいた方が無難です。もちろん大学入試において採点をしているのは数学の教員ですから、高校生が知っているような知識は基本として持っている訳で、そういった意味で共通認識でないような定理や公式は存在しないかもしれません。しかしながら「よく知りもしないのに使用している」と採点官に判断されれば心象は良くありません。なのでしっかり理屈まで知った上で使用していることをアピールするために証明しておくと良いということになります。
つまり使用頻度が低い定理や公式については要注意ということになります。もしかしたら減点されないかもしれませんが、減点されたとしても文句は言えないという部分だと思います。高校数学ではいろいろな定理や公式が出てきますが、それらについて理屈までしっかりと理解して論証できるようにしておくことがやはり大事になるのではないでしょうか。理屈がわかっていない定理や公式は扱いに注意したほうが良いので、そういった部分に不安がある場合はしっかりと復習しておくことをお勧めします。東大かどこかで三角比の定義の部分について問われたときもあったようですし。
今日は定理や公式の扱いについての話でした。
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