最近苦労した問題
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
土曜日は2023年度東大文科の空間図形の問題に苦労しました。問題自体は見えてしまえば計算だけなので簡単な部類に入りますが、計算の妥当性を論証するのは大変な気がします。また方針が見えても計算が少し面倒なのが東大らしいなとも感じます。他の3問は取り組みやすい問題だったので、去年はそんなに難しくなかったのかな、と思いますが、今年はどうなるんでしょうね。問題については供養のため載せておきます。暇な方は少し考えてみてください。答えについては気が向けばブログにしたいと思います。
半径1の球面上の相異なる4点A, B, C, Dが
AB=1, AC=BC, AD=BD, cos∠ACB= cos∠ADB=4/5
を満たしているとする。
(1)三角形ABCの面積を求めよ
(2)四面体ABCDの体積を求めよ
(2023年度 東京大学・文科 大問4)
合同な2つの二等辺三角形が底辺を共有した形で開いていて、頂点同士を繋いでできる四面体の面積を求めることになりますが、高さがなかなか出ず力技に頼ってしまいました。まあ解けたので良いとしましょう。
空間図形の問題では、座標やベクトルで表示されている問題のように単純に計算で処理できる問題もありますが、そうでない場合はどこの平面で図形を切り取るかが非常に大切になってきます。空間を空間のまま考えることができる人はなかなかいない、ということがその理由だと思います。目的の平面で切り取ってしまいさえすれば、よくよく見知った形の組み合わせで問題が解消されることが多いので、多くの場合必要な情報が含まれている平面で切り出してやることになります。この平面の選択については、重要な点や直線が含まれるように平面を選ぶことになるので、結局どの点や直線が重要なのかを考えることが最初にすべきことになるでしょう。
結局空間図形の問題も他の問題と変わらず、条件と結論の分析が重要ということになります。こうやって書いていると空間図形もだんだん簡単な気がしてくるものですね。慣れるためにはある程度の演習は必要だとは思いますが、一度コツを掴めば案外難しいものではないかもしれません。今回のブログの問題も練習と思ってやってみてはいかがでしょうか(個人的には三角比と三角関数を利用したので単純な幾何ではないですが)。
今日は苦労した問題についてのブログでした。
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