化学の質問から自分の思い込みに気がついた話(結晶構造)
こんにちは。
通信講座の採点をしている稲荷興心です。
先ほど「最速最深中学数学」のAmazonのページを見ていたところ、一つ目のレビューがありました。普段レビューを見ながら買い物をしている一方で、いざレビューをつけられる立場になるとその恐ろしさをひしひしと感じてしまいます。幸い気に入っていただけたようで、一安心でした。レビューを書いてくださり、ありがとうございます。
さて、今日は塾で質問を受けたところから気がついた、あまり実のない話について書いてみようかなと思います。化学の話なので少し高校生向けかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。
化学を勉強していると問題集の最初の方には必ず結晶構造の問題が載っていると思います。高校の化学において教えられている結晶構造は体心立方格子と面心立方格子、六方最密構造の3つだと記憶していますが、今回のブログで扱うのは面心立方格子と六方最密構造の2つです。結晶構造は結晶の一部を切り取った状況を表しており、原子同士は接するものとして考えます。
こういった結晶構造の問題においては、充填率を求めるものが頻出になっています。充填率は単位面積あたりの原子の占める部分の率のことを表し、これが大きくなるほどきっちり原子が結晶内に詰まっていることを表しています。面心立方格子と六方最密構造は最密充填となっていて、充填率は74%ほどとなっています。ちなみに体心立方格子では充填率は68%ほどとなっています。
その面心立方格子と六方最密構造について、塾生に違いを聞かれて何が違うのか一瞬分からず調べてみたところ、球の積み方が違うことがわかりました。一つの平面にできる限り球を敷き詰めようと思うと1つの球に6つの球が接するような形が最も敷き詰められることがわかっていますが、この平面の上に積み上げていく球の置く場所がこの2つの結晶構造において違うようです。
突然ですが、皆さんはテニスをしたことがありますか?テニスをしたことがある方なら分かると思いますが、散らばったボールを集めるときにラケットの上にボールを積むことが多いです。この積み方は最適化されていて最大限ボールを積むには積み方が決まっています。これが個人的に良くなかったと思う点で(笑)、3つの球の上に1つの玉を置くような球の積み方は1通りだと思ってしまっていました。
実は積み方はいくつか考えられて、2段だと2通り考えることができます。ただ結晶構造を考えているので、2段で考えた2つの場合はいずれも180度回転させれば重なることから3段以上で考える必要があります。
3段で考えたところ、1段目と3段目に注目すると、上から見た際に球の中心が重なる場合(1)と重ならない場合(2)があり、これら3段の繰り返しが続くとすると、1の積み方を六方最密構造、2の積み方を面心立方格子と呼ぶようです(ちなみに面心立方格子については2の状態から少し傾けると最初に示したような場合と重なります)。
さて、こうなってくると他に細密構造はないのかという話になりますが、少し考えてみるといくらでも作れることがわかります。一つ上の図の1段目をAの状態、2段目をBの状態、3段目の緑の方をCの状態とすると、六方最密構造はABABAB…(一単位 : AB)と続く状態を、また面心立方格子はABCABCABC…(一単位 : ABC)となる状態を指しますが、例えばABCBAを一単位とするような場合も考えられます。AとB, Cはそれぞれ隣り合う段の状態として存在できるので、無数に最密構造は作れることになります。ただおそらく、結晶構造としては六方最密構造と面心立方格子に限られるのでしょうね。不思議に感じてしまいます。
今日は個人的な思い込みが解消されたのでブログにしてみました。何かを勉強するときに思い込みがあると素直に理解できないときがあったりするので少し反省です。ただこれで次結晶構造について聞かれたときには安心して答えられるようになりました。理系の学生は基本的に化学は避けて通れない科目だと思うので、今回のブログが理解の一助になれば良いなと思っています。
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