【通信 塾】『稲荷の独習数学』ガイド 7.6(7.6.4~) 漸化式
【補足説明】
p.268 演習130の解答について補足します。
2行目から3行目への変形では、2行目の最後の部分を
1/(n+1)(n+2)=1/(n+1)-1/(n+2)
と直し、-1/(n+2) を右辺に持ってきています。
そうすると3行目の式ができますが、これは n(n+1)an+1/(n+1) をひとつのかたまりと見た公比1の等比数列の形になっています。(右辺の n に n+1 を入れたものが左辺になっていることを確認してみてください。)
そのため、n(n+1)an+1/(n+1) は 1・2an+1/2 に 1n-1 をかけたもの(つまり 1・2an+1/2 そのもの)と等しくなります。これが4行目の式です。
p.269 演習131の漸化式 an+3=an+2 は下のように2つ飛んだ項の関係を表しているので、n を3で割った余りで場合分けして考えます。
解答の最初の「n=3k-2 のとき」というのは「n を3で割って1余るとき」ということですが、この解答のように表しておけば k=1, 2, 3, … と k に自然数を入れたときに n=1, 4, 7, … のように3で割って1余るすべての自然数を表すことができます。
p.270 例題132の解答について補足します。
解答の上で (an, bn) の組と (an+1, bn+1) の組で隣り合う項の関係を作ると説明していますが、具体的には、
an+1+kbn+1=l(an+kbn)
の形を作ります。
そのために、解答の最初で an+1+kbn+1 に問題文の漸化式 an+1=an+2bn, bn+1=4an+3bn を代入して計算しています。そうすると、解答にあるように
an+1+kbn+1=(1+4k)an+(2+3k)bn
となりますが、この右辺が l(an+kbn) つまり lan+lkbn と表されればよいので、an と bn の係数をそれぞれ比較して、
1+4k=l (an の係数)
2+3k=lk (bn の係数)
が成立するような k, l を求めています。
k, l の組は (k, l)=(-1/2, -1), (1, 5) と2組あるので、an+1+kbn+1=l(an+kbn) の形の漸化式も2つ作ることができ、それらを使えば an, bn をそれぞれ求めることができます。
p.271 演習132は、例題132と同じように
an+1+kbn+1=(3+k)an+(1+3k)bn
と計算して、これが
an+1+kbn+1=l(an+kbn)
の形になるように k, l の値を求めれば、(k, l)=(1, 4), (-1, 2) となることから解答の最初の漸化式が作れます。
しかし、問題文の漸化式
an+1=3an+bn
bn+1=an+3bn
を見ると、2つの漸化式で an と bn の係数が逆になっているので、これらの漸化式を足したり引いたりすればいきなり解答の最初の漸化式が出来上がります。
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