【通信 塾】『稲荷の独習数学』ガイド 6.1 指数法則の拡張
【補足説明】
p.230 指数法則の指数を有理数の範囲に拡張するということは、たとえば下の例のように、指数が自然数のときだけでなく有理数のときでもそれぞれの指数法則が成り立つということです。
- abac=ab+c
(自然数) 22×23=22+3=25 (有理数) 2½×2-1=2½-1=2-½
- ab/ac=ab-c
(自然数) 24/22=24-2=22 (有理数) 22/24=22-4=2-2
- (ab)c=abc
(自然数) (22)3=22×3=26 (有理数) (22)¼=22×¼=2½
- (ab)c=acbc
(自然数) (2×3)4=24×34 (有理数) (2×3)-¾=2-¾×3-¾
また y=2x として、x が有理数のときの x と y の対応関係を xy 平面上に点で表していくと、p.230にあるような図ができますが、これは実際には曲線になっていません。これは、たとえば x=√2 のところには点がうたれず、そのような抜けた値が無数にあるからです。
しかし、この抜けた値(x が無理数のとき)でも同様に指数法則が成り立つとしてこの先の学習を進めてください。
p.231 例題110の解答の最後の部分 (2/3)-2=9/4 は、指数法則 ab-c=ab/ac で、a=2/3, b=0, c=2 としています。
p.231 演習110の 50 以外の部分は次のように変形できます。
3-3/2+91/4+27-1/6
=3-3/2+(32)1/4+(33)-1/6
=3-3/2+32×1/4+33×(-1/6)
=3-3/2+31/2+3-1/2
そうすると、たとえば 3+32+33=3(1+3+32) のような式変形と同様に 31/2 でくくることができ、残りの部分の指数が全て整数になります。
底が整数のとき、指数が整数であれば
22=4, 21=2, 20=1, 2-1=1/2, 2-2=1/4
のように有理数の値になります。しかし、指数が整数でなければ
21/2=√2, 22/3=∛4
のように無理数の値になる場合があります。
p.232 例題111の ∛(-1/9) は、3乗して -1/9 になる数なので負の数であり、∛(-1/9)=-∛(1/9) と変形できます。また、3乗根の計算も2乗根の計算と同様にでき、
∛(1/9)
=∛(3/27)
=∛3/∛27
=∛3/3
となります。2行目からの変形を丁寧に説明すると、指数法則の (ab)c=acbc を使って、
∛(3/27)={3×(1/27)}1/3=31/3×(1/27)1/3=31/3/3=∛3/3
となります。(1/27)1/3 は3乗して1/27になる数なので1/3です。
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