【通信 塾】『稲荷の独習数学』ガイド 3.1 逆,裏,対偶 (の前の部分)
【新しく習う言葉の読み】
真:しん
偽:ぎ
命題:めいだい
【補足説明】
p.130 青色部分
A ⇒ B:T ⇔ [A]⊂[B]
についての説明で、例題68を例に挙げていますが、もう少し簡単な例を挙げておきましょう。
(集合[A]が集合[B]に含まれることを [A]⊂[B] と表すことはp.28で学びました。)
たとえば、条件Aを 5≦x, 条件Bを 3≦x とします。
そうすると、5≦x ならば 3≦x なので、A ⇒ B となります。
このとき、[A]は 5≦x を満たす x の集合なので「5以上の実数」であり、[B]は 3≦x を満たす x の集合なので「3以上の実数」です。3以上の実数はすべて5以上の実数に含まれるので、[A]⊂[B] となります。
結局、A ⇒ B と [A]⊂[B] は同じことを意味していて、それを同値記号を使って表したのが A ⇒ B:T ⇔ [A]⊂[B] です。
p.132 ページの下の方にあるような、複数の集合の関係や集合の範囲を視覚的に表した図をベン図といいます。
1番上の図の左側は、A∩B の図なので、A の真理集合を表す円と B の真理集合を表す円の両方に含まれる部分が青くなっています。その右側は A∩B の否定の図なので、左側の図と青と白の部分が入れ替わっています。
次の図の左側は、それぞれ A の否定と B の否定の図なので、A の真理集合を表す円の外側と B の真理集合を表す円の外側が青くなっています。その右側は、A の否定または B の否定を表す図なので、左側のどちらかで青い部分はすべて青くなっています。(右側の図で白くなるのは、A でも B でもある部分ということになります。)
p.133 例題70について、a>0 を A, b>0 を B とすると、「A∪B の否定」を述べればよいということですが、これはド・モルガンの法則の2つ目から「A の否定かつ B の否定」と同じなので、a≦0 かつ b≦0 となります。
例題70の解答の下に
「かつ」の否定は「または」で、「または」の否定は「かつ」
とありますが、「A かつ B」の否定は「A の否定または B の否定」で、「A または B」の否定は「A
の否定かつ B の否定」だということです。(これがド・モルガンの法則です。)
この1つ目を発展させると、「A かつ B かつ C かつ・・・」の否定は「A の否定または B の否定または C の否定または・・・」となり、2つ目を発展させると、「A または B または C または・・・」の否定は「A の否定かつ B の否定かつ C の否定かつ・・・」となります。
例題71は2つ目を発展させたもの(上の下線部)の具体例になっています。
「ある素数 p をとれば、p は3の倍数である」というのは、すべての素数を p1, p2, p3,・・・と表すと、「p1 が3の倍数または p2 が3の倍数または p3 が3の倍数または・・・(※1)」と言い換えることができ、この否定は「p1 が3の倍数でないかつ p2 が3の倍数でないかつ p3 が3の倍数でないかつ・・・(※2)」となり、結局「すべての p が3の倍数でない」となります。
(※1)は1つでも3の倍数があれば真なので存在命題、(※2)はすべてが3の倍数でないときに真なので全称命題であり、存在命題の否定が全称命題であることが確認できます。
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