【通信 塾】『稲荷の独習数学』ガイド 1.8.3 不等式の証明とその利用(2) 三角不等式
【新しく習う言葉の読み】
同値:どうち
【補足説明】
p.60 y=|x| のグラフは、x≧0 のときに y=x のグラフ、x<0 のときに y=-x のグラフになります。下にそれぞれのグラフを載せますが、y=|x| のグラフが x の値に関わらず y=x および y=-x のグラフと同じかそれより上にあることから、|x|≧x, |x|≧-x であることが確認できます。
p.60 「max{a, b}:a, b の小さくない方」とあります。maxとは「最大」という意味ですが、a, b の「大きい方」ではなく、あえて「小さくない方」と表現されています。これは、a=b のときに max{a, b}=a=b となり、a, b の大きい方とは言えないからです。
同じことで、min{a, b} についても、a=b のときには min{a, b}=a=b となるため、「a, b の大きくない方」と表現します。
p.60 ページの真ん中あたりにある max{a, b} を表した式についてです。
p.61 三角不等式の証明の1行目に ||a|-|b||≦|a+b| ⇔ ||a|-|b||2≦|a+b|2 とありますが、一般に x≧0, y≧0 のときに x≦y ⇔ x2≦y2 という同値変形が成り立ちます。これは、下の図のように x, y を正方形の一辺とすると、x2, y2 が正方形の面積となり、x, y の大小関係と x2, y2 の大小関係が一致するからです。
しかし、-3≦2 は成り立っても (-3)2≦22 は成り立たないように、x≧0, y≧0 でないときには
x≦y ⇔ x2≦y2 という同値変形は成り立ちません。
今回は、||a|-|b|| と |a+b| がともに0または正の値なので、 ||a|-|b||≦|a+b| を ||a|-|b||2≦|a+b|2と変形できるということです。
それから、証明の3行目で |a+b|2=a2+2ab+b2 と変形していますが、絶対値で表された式は2乗することで絶対値をはずすことができます。念のために確認しておくと、次のようになります。
a+b≧0 のとき、|a+b|2=(a+b)2=a2+2ab+b2
a+b<0 のとき、|a+b|2={ -(a+b)}2=(a+b)2=a2+2ab+b2
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